太極拳などの中国武術で使用される武器は、剣、刀、槍、棍の4大兵器を中心とし、太極剣や太極刀、八卦大刀など様々な武器があります。
現時点で、当会で公開している中国拳法の武器術には、以下のようなものがあります。
【初級編】
- 刀術
- 棍術
【太極拳の武器】
- 陳氏太極単刀
- 陳式太極剣
- 三十六式太極刀
- 五十六式太極剣
- 武当龍門十三槍
- 楊式太極短棍
【八卦掌の武器】
- 八卦六十四大刀
- 八卦子母鴛鴦鉞(しぼえんおうえつ)
本ページでは、当会で指導している中国武器術の種類を中心に紹介します。
Contents
初級刀術
初級刀術は、刀術や剣術の基本技法(基本功)を身に付けるためのカリキュラムです。
太極拳の剣や刀は、歩法と内功によって剣や刀を操作するため、武器と歩法をつなげる体幹部の内功の養成を目的としています。
当会の武器操作の根幹となる練習体系です。
撩とは、下から上へと斬り上げる動作を言います。立円を描き、相手の手首などを斬り上げる技法です。
劈とは、撩とは逆に上から下へと斬り落とす動作の総称です。
当会の武器術は、太極拳や八卦掌との融合色が強く、内功を用いて操作するのが特徴です。
初級刀術の練習体系は、【太極拳の剣と刀の基本】のページで詳しく解説しています。
初級棍術
初級棍術は、中国武術の棍や槍などの長兵器の基本を身に付けるためのカリキュラムです。
劈棍
劈とは、薪割りのように斧を振り落とすような動作の事を言います。
ただし、当派の劈棍の特徴としては、棍を振り落とすというよりも、棍が自然に倒れていくのを体全体で拾いに行くイメージです。
舞花棍
当会では通常は掛棍と呼んでいます。丁寧に丁寧に歩法と連動して行います。
撥棍
撥には、はらう、はらいのぞくなどの意味があり、頭上で棍を回した後、横へとはらう動作です。
他の初級棍術の技法は、【棍術と槍術の基本】のページで紹介しています。
太極拳の武器術(太極剣、太極刀、槍)
当会で指導している太極剣、太極刀、槍術について紹介します。
陳氏太極単刀
陳氏太極単刀は、太極拳の源流地である陳家溝に伝わる太極刀です。
短い套路の中に、(扎・斬・劈・掃・推・截・砍・纏頭裹脳などの)基本技法がしっかりと織り込まれ、一切の虚飾を廃した構成となっています。
アグレッシブに戦場を駆け巡る、古流の刀術そのままの雰囲気が感じられます。
なによりシンプルで飾り気がないところが素晴らしい。
今後、当会では刀術の基本功と共に中級教程で指導していく予定です。
陳式太極剣49式
陳式太極剣は、陳氏太極単刀と同じく太極拳の源流地である陳家溝に伝わる太極剣の套路です。
楊式太極剣の原型となった套路でもあります。
剣本来の繊細な技法と古流の持つ荒々しさを兼ね備えた伝統の太極剣です。
烏龍が尾を振り落とすように、剣を振るう烏龍擺尾(うーろんはいび)
陳氏の太極剣は、双手(両手)で剣を操作する技法も多い。
背刀部を用いて剣を分け開く斜飛勢。陳式太極剣を代表する技法の一つです。
陳式太極剣の詳細は、【陳式太極剣の基本】のページで、その特徴や基本功、基本技法に至るまでを解説しています。
三十六式太極刀
当門に伝わる36式太極刀は、宋陪儉 大師から、鄭志鴻 老師へと伝わった太極刀です。
同じく当門に伝わる五十六式太極剣とは、 共通する技法や動作が多く、姉妹といった関係で、セットで学ぶ事で刀術や剣術の術理をより深く学習する事ができます。
当会では太極刀の中級教程で指導予定です。
古傳五十六式太極剣
当会に伝わる古傳太極剣は、宋陪儉 大師から、鄭志鴻 老師へと継承された中国東北地方に伝わる太極剣です。別名は漢中舞剣。
一般の楊式太極剣とは、套路の構成が大きく異なり、かなり独特な雰囲気をもっています。
套路の前半で基礎的な剣法を学び、中盤からはそれらを応用した技法へと発展していきます。
また転身動作も多く、八卦掌の影響も多分に感じられます。
当会へは、2012年から2014年まで鄭志鴻 老師の【古伝太極剣 講座】を開催し、会員諸氏も共に学ぶ事ができました。
武当龍門十三槍
武当龍門十三槍は、上海の著名な気功武術家である裴錫栄老師から鄭志鴻老師へと伝わった太極槍の一種です。
繋げて練習すれば套路となりますが、本来は槍術の13種類の単式練習と言って良いと思います。
元来槍術は、その形態から棍術などと比べれば使用法が限られ、歴代の研究の成果から、もっとも実用的な13種の技法が選抜して伝わってきたようです。
将来的には当会の会員と共に研究していきたいと思っています。
楊式太極短棍
楊式太極短棍(たんこん)は、楊式太極拳と棍術や槍術の理を融合させた当会独自の練習体系です。
楊式太極短棍について詳しくは、こちらのページ をご覧下さい。
八卦掌の武器術(八卦大刀、子母鴛鴦鉞)
当会に伝わる八卦大刀や子母鴛鴦鉞(しぼえんおうえつ)などの八卦掌独特の武器術について紹介します。
八卦六十四大刀
当門に伝わる八卦大刀は、馬貴派八卦掌の李保華老師から学んだものです。
八卦大刀は、140センチ近くあるため、一般的な刀術のようには扱えず、そのため歩法や身法を用いた工夫が随所に見られます。
もしかしたら、八卦掌の発生自体の秘密が、大刀の操作に由来しているのかもしれません。
馬貴派の八卦大刀の特徴は、馬貴派の姿勢と身法で大刀を振り抜き、突き刺し、操作する。やはり「馬貴派だな」の一言。
将来的には八卦掌の専修クラスや上級教程で指導していきたいと思っています。
八卦子母鴛鴦鉞
八卦門を代表する兵器である子母鴛鴦鉞(しぼえんおうえつ)。門派によっては、子午鴛鴦鉞とも呼ばれています。鉞はまさかりの事です。
剣や刀とは異なり両手に武器を持つ子母鴛鴦鉞は、その名の由来通り、(子母=親子、子午=干支の子と午、鴛鴦=おしどり)両手が付かず離れず呼応しながら、時に別々に動き、時に同時に動きながら攻防を行います。
そして、その技法は、やはり八卦掌の徒手技法に直結していると言って良いでしょう。
私は馬貴派八卦掌の李保華老師に単勾式八法を学んだ際に鴛鴦鉞の基本を学び、套路や技法は、宋派八卦掌の子母鴛鴦鉞を鄭志鴻老師に学びました。
この宋派八卦掌の套路は、龍形、熊形、単勾式、陰陽魚掌など八卦掌の技法が満遍なく取り込まれており、素手の八卦掌を学ぶ上でも非常に有効だと思われます。
今後、当会の八卦掌の専修クラスや上級教程で指導していく予定です。
宋派八卦掌の子母鴛鴦鉞については、こちらのページもご参考下さい。
当会で指導している武器術について
今回は、当会で指導している武器術を中心に紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?
実際には、他にも学んでいる武器術がありますが、公開や指導の許可を得ていないものや、私自身がまだ指導できるレベルにないものは、省略しました。
当会の場合は、武器術と素手の拳法の融合性が強く、素手の太極拳や八卦掌を学びながら、初級刀術を学び、武器術と拳法の共通した理合いを身に付けていきます。
言い換えれば、太極拳や八卦掌は、武器術の身法で行う素手の武術と言っても良いでしょう。
当会で指導している【太極拳の種類】に関しては、下記ページをご覧下さい。
当会で指導している【八卦掌の種類】については、下記ページをご覧下さい。
中国拳法の代表的な門派を紹介しています。
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普段の練習内容は、【練習風景】のページをご覧下さい。
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