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福岡伝統太極拳 湧泉会の特徴

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福岡伝統太極拳 湧泉会の特徴のロゴ

福岡県筑紫野市と福岡市南区で、楊式太極拳、陳式太極拳、馬貴派八卦掌、太極剣、太極刀、棍術等の中国武術を専門に指導している福岡伝統太極拳 湧泉会の特徴を紹介します。

伝統太極拳 湧泉会とは?

太極刀を練習する伝統太極拳 湧泉会の会員達の写真

太極拳・八卦掌・中国武器術を三本の柱とし、徹底した内功の養成と、太極拳や八卦掌の武術的な面についても研究してきた団体です。

2003年より活動を開始し、20年の活動実績があります。

その過程で、武器術との共通原理を探り、真の健康体を求め、【生涯武道】としての太極拳を目標としています。

湧泉会の特徴
  1. 太極拳・八卦掌・中国武器術の三本柱
  2. 内功の養成を目的とした練習体系
  3. 太極拳や八卦掌の実用性の研究
  4. 各段階に分かれてのグループ別指導

初心者や健康目的の方には無理な指導はせず、段階別の指導を行っています。

営利を目的とせず、真剣に学びたい方に、真剣に指導するというのが当会の指導方針です。

太極拳、八卦掌、中国武器術の三本柱

当会では太極拳、八卦掌、中国武器術の三つの柱として練習しています。それぞれの特徴としては以下のような点があります。

太極拳とは?

太極拳には、近年、健康法や表演を目的に制定された制定太極拳と中国の動乱の歴史を乗り越え、現代に伝わってきた伝統太極拳とがあります。

伝統太極拳の二大流派としては、陳派と楊派があり、楊派の分派として呉派、武派、孫派などがあります。

特徴
陳派(陳式太極拳)陳家溝を発祥とし、太極拳の源流とされる
楊派(楊式太極拳)陳家溝で学んだ楊露禅が独立後に成立
呉派、武派など楊派に学んだ後、独立

陳式太極拳

陳式太極拳 基礎套路(全八勢)

太極拳発祥の地とされる陳家溝では、外部からの襲来に対して村を守るため、武芸十八般(武器術)が非常に発展しました。

武器を操作する技術(内功)と、長拳系の拳法が融合され、独得の拳法が生成されました。

そこから、さらに纏絲勁などの独自の工夫が加わり、現代の陳氏太極拳へと伝承されています。

〇 太極拳がどのような過程を経て発生したかは、伝統太極拳の歴史のページで解説しています。

楊式太極拳

楊式太極拳 基礎套路(全九勢)

陳家溝で30年余り学んだ楊露禅が、他流との交流や本来は槍の拳譜であった太極拳譜を基に独自の工夫を加え、生成されたのが楊家太極拳です。

太極拳という名称は、楊式太極拳から始まったと言われています。

楊家からの分派としては、呉式太極拳や武式太極拳があります。

〇 当会で指導している太極拳の種類は、伝統太極拳の種類のページで紹介しています。

八卦掌とは?

馬貴派八卦掌 単換掌

八卦掌は、清朝に仕えていた 董海川(とうかいせん)が創始した中国武術の一派です。

太極拳と同じく内功を重視した内家拳のカテゴリーに属しますが、太極拳とは別の流派です。

指先や掌を中心とした技法が多用され、走圏など独特な練習体系と理論を有しています。

〇 八卦掌の概要については、八卦掌の特徴と基本のページで解説しています。

〇 八卦掌の技法については、八卦掌の技法のページで紹介しています。

〇 当会で指導している八卦掌の流派は、八卦掌の種類をご覧下さい。

中国武器術とは?

中国の武器術には、大別すると短兵器と長兵器があります。

短兵器刀、剣
長兵器棍、槍
その他子母鴛鴦鉞、判官筆、
陳式太極剣 倒巻肱の写真
短兵器の代表格である剣術(陳式太極剣 倒巻肱)
長兵器の一種である棍術(劈棍)

〇 当会で指導している中国武器術は、中国武器術の種類をお読み下さい。

〇 太極剣や太極刀の基本は、太極拳の剣と刀の基本のページで紹介しています。

〇 陳式太極剣に特化した、基本功や基本技法は、陳式太極剣の基本のページをご覧下さい。

〇 中国棍術や槍術の基本は、中国棍術と槍術の基本のページで紹介しています。

内功の養成を目的とした練習体系

八卦掌の走圏を行う会員達の写真

太極拳や八卦掌などの中国の武術を理解していく上で欠かせないキーワードの一つに【内功】といったものがあります。

太極拳の本質は内功にあり、太極拳と一般のスポーツや武道との最大の違いは、内功という概念があるかどうかだと思います。

太極拳の本質、内功とは?

太極拳の本質、内功とは?のロゴ画像

内功というのは、内面の功。功とは、積み重ねてきた技術や能力といった意味です。

つまり内功とは、身体内面に築いた技術や能力の事を言います。

もう少し具体的に言えば、体を動かすための機械的な仕組みの事を言います。

一例として、短棍を用いた纏絲功(てんしこう)を見てみましょう。

動画を見ると、まず棍が前方に向かって渦を描くように動いているのが分かると思います。

ただし、単に棍だけが動くのではなく、体全体が連動して渦巻き状の力を発生させています。

この体全体で渦巻き状の力を発生させている仕組みが内功(纏絲功)という事になります。

次に、この纏絲功を利用した技法を見てみましょう。

この技法は、陳式太極拳の第一手である 懶扎衣(らんざつい)という技法です。

最初に大きく行っているのが懶扎衣の套路(型)の動きです。

次に行っているのが内功による動き、この技法の場合は体内で発生させた渦巻き状の力を右掌へと運んでいます。

最後に内功による瞬発力を発しています。スローで見ると全身が連動し、総動員している事が分かると思います。

内功について、より詳しく知りたい方は、太極拳の本質、内功についてのページで解説しています。

当会の練習体系

太極拳の基本功(大纏絲)を行う会員達の写真
太極拳の基本である内功を練る会員達

当会の練習体系は、【内功】をいかに身に付けていくかが練習の最大のテーマとなっています。

伝統の中国武術は、単に型を学ぶだけでなく、どのような理論と技術体系が伝わっているかが一番重要です。

内功の種類

内功には、大別すると、上下、前後、開合など、直接的に力を発生させるものと、螺旋状の力を発生させるものがあります。

力(勁)の方向
直勁上下、前後、開合、身体側面での上下や前後など
螺旋勁螺旋勁、纏絲勁

そして、これらの内功を身に付ける事が伝統太極拳の基本となります。

上下の内功の一例

太極拳 基本功 起勢式

起勢は車で言えば、エンジンにあたる功法であり、身体の膨張→圧縮のサイクルにより、重力感覚の養成と太極拳運動に必要な圧力を生成する功法です。

動画から、何かを持ち上げている様子や圧力を生成している感覚が感じられると思います。

伝統太極拳では、ここで得た圧力を様々な動きや技法へと発展させていきます。

前後の内功の一例

太極拳 基本功 青龍探爪(双按)

青龍探爪は、体内で発生させた圧力を、前後の力へと変換する功法になります。

前方への内功が形成される事で、内功による瞬発力を発する事ができるようになります。

内功による運勁図
青龍探爪の内功図

青龍探爪では、上記のような仕組みで背中を通り、前方へと力を力を運びます。

螺旋勁(らせんけい)の一例

最初に大きく行っているのが、陳式太極拳の斜行拗歩という技法の套路(型)の動きです。

次に行っている動作が、螺旋勁による開勁です。体内で発生させた螺旋状の力を両手へと運んでいます。

最後に行っているのが、螺旋勁を凝縮した実際の技法としての動きとなります。

当会の練習体系について、さらに詳しく知りたい方は、【伝統太極拳の基本と練習体系】のページをご覧下さい。

太極拳の実用性の追求

太極拳の分脚の応用例としての膝蹴りの写真

太極拳の武術的な側面において、他の武道や格闘技と異なる特徴としては、以下のような点があります。

  • 適時適切な攻撃部位を用いる
  • 内功による瞬発力と線状の攻撃
  • 化勁を用いた攻防一体

以下、簡潔に紹介します。

適時適切な攻撃部位を用いる

太極拳や八卦掌では、相手との状況により、適時適切に以下のような手型を用います。

楊式太極拳 倒攆猴の応用例の写真
特に太極拳や八卦掌では、掌や手刀による攻撃を多用します。倒攆猴の応用例、相手の腕を引き込んで崩し、後頭部へ手刀を打ち落とす。
太極拳の白鶴亮翅の応用例
拳槌を用いた用法例。白鶴亮翅を応用し、相手の側頭部や首筋を狙う。

また主に頭部や頸部への攻撃が多いため、格闘技というよりは、護身術的な要素が多くなります。

各手型の他の使用例は、中国拳法の手型と使用法 で詳しく紹介しています。

中国武術の蹴り技の基本や使用法は、中国拳法の蹴り技で紹介しています。

内功による瞬発力

太極拳の技撃面の一番の特徴は、内功を用いた瞬発力を使用する点にあります。

套路(型)で学ぶ動きは、実際の技法の内功を養成するための動きです。

実用時には、内功そのものを動かし、瞬発力として発します。

ただし、同時に「技は型の中に」あります。

何だか禅問答のようですが、実際の套路の動きと内功による瞬発力を見比べてみましょう。

上の動画は、陳式太極拳の古式単鞭です。一般的な陳式太極拳の単鞭よりも楊式太極拳の単鞭に近い印象です。
こちらの動画は、単鞭の内功を用いた瞬発力の一例です。一般的には発勁と呼ばれるものです。

型の動きと技の動きを見比べてみると、外見上は、ずいぶん違って見えると思います。

単鞭の用法例など、詳細については、こちらのページをご覧下さい。

武術としての実用面だけを考えれば、最初から技の練習だけを行えば良いように思いますが、実際には真似をしても上手くいかないと思います。

理由は、太極拳の技法は、套路の練功によって、技を打つ仕組み(内功)を体の中に作り、その仕組みを動かす事で可能となるからです。

技は型の中に」の意味は、ここにあります。

つまり、型(套路)の練習を積んでおかないと、技は使えませんし、威力も速度も出ません。

また実際には、型の動きだけでなく、基本功で得た様々な要素が重なり合って、その人なりの技(レベル)となります。

太極拳を武術として学ぶ場合は、伝統套路の前半部分に出てくる各技法の明確な使用法を理解し、活用できるレベルまで習得しておく必要があります。

内功による線状の攻撃(線撃)

太極拳の技撃面における第二の特徴は、各技法の内功を組み合わせた上で、一連の線の動きとする事です。

一例として、陳式太極拳の【金剛搗碓】の用法例を紹介します。

上の動画では、右撩陰掌(下陰部打ち)→右托掌(下から上への掌打)→右翻捶(裏拳打ち)の三打を連続して行っています。

対人練習では、以下のようになります。

※ この動画は、一瞬で終わってしまうので、同じ動画を二度つなげています。

この技法では、下 → 上 → 反転 と相手の意識を巧みに操作しながら、点ではなく、一連の線の動きで行っているのが分かると思います。

この技法の詳細な分析は、金剛搗碓の研究のページをご覧下さい。

化勁(かけい)とは?

化勁とは、勁を化かすと書き、【化勁】で、相手の力を変化させる。または相手の力を溶かす、消化させるといった意味になります。

一言で言えば、相手の力を無力化する技術であり、また吸着化させた上で崩したり、相手をコントロールする技術です。

化勁には、手や前腕部を接して行うものと、相手の体幹部に直接作用させる化勁があります。

上の動画は、掌を用いた推手から化勁への変化の一例です。

ご覧のように、掌や手首を接した化勁では、吸着化現象が起きます。

相手の手を引っ付けたまま、コントロールしているのが分かると思います。

上の動画は、相手の下から上へ向かう力に対しての化勁の検証例です。

単に腕を触れただけでは、相手に何の作用も起きませんが、化勁をかける事で、相手に対してこちらの力を作用させる事が可能となります。

これらの技術がそのまま実戦の役に立つ訳ではありませんが、化勁を用いる事で、攻撃に転じる時間的、空間的な間(ま)を作る事ができます。

また化勁には、防御だけでなく、相手の体幹部に直接作用させる化勁もあります。

この動画は、太極拳の単鞭などの極めの動作ですが、通常は相手の抵抗が起きます。

そのため、相手の体幹部に接する肩口から化勁をかけ、内功の一つである 遠心的な螺旋勁を用いて崩しています。

相手にコマのような回転が加わり、抵抗できずに急に崩れているのが分かると思います。

化勁から摔法(投げ技)への応用例

つかまれた手首から纏絲をかけ、そこから更に大きな渦巻き状の力に相手を巻き込んで崩します。陳式太極拳 斜行拗歩の応用例。

このように伝統太極拳では、化勁によって相手の抵抗を無力化し、内功によって発生させた力を用いて崩す事を特徴としています。

化勁について、より詳しくは、以下のリンクをご覧下さい。

太極拳のポン勢で化勁をかけている写真
太極拳の化勁について(基本編) 皆さんは、太極拳の化勁(かけい)についてご存知でしょうか? 化勁の解釈は、門派によって様々ですが、現段階で私が理解してい...

伝統太極拳の技法には、打法、摔(しゅつ)法、擒拿(きんな)などがあり、太極拳の武術的な側面に関しては、以下の記事もご参考下さい。

〇 陳式太極拳の用法例は、陳式太極拳の技法研究で紹介しています。

〇 楊式太極拳の技法は、楊式太極拳の技(用法)にまとめてあります。

〇 太極拳の実用性に関しては、太極拳の実用性の研究で考察しています。

太極拳の健康面について

太極拳の基礎練功法のスワイショウの写真。
太極拳の基礎練功法を行う会員達

太極拳の健康面については、大別すると以下の二段階が考えられます。

  1. 普段運動をしていない方が運動を始める事によって、筋力や体力が身に付く。
  2. 更に太極拳の練習を続ける事によって、体の内面から変わっていく。

①の段階においては、他の運動と変りません。普段運動をしない方が、運動を始める事によって、筋力や体力が身に付いていきます。

②の段階は、太極拳だからこそだと思います。

正しい太極拳の練功を長年続けていくと、少しずつですが、体の内面が機械化 されていきます。

いわゆる、前述した内功が身に付いてきます。

それに伴い、筋骨も変わっていきます。ここで言う筋は、筋肉ではなく、筋(すじ)、腱の事です。

腱や骨格も変わり、武術として、突くためには、突くための仕組みが体の中にできていきますし、動きも肩や肘を支点としたものではなく、体の深層部を起点としたものに変わっていきます。

突くためには、突くための仕組みを体の中に作る。
体の深層部から体を動かす雲手(双鞭:左右への単鞭)

それらの仕組みが出来上がってくる過程で、四肢と体験部の連動した生物体本来の動きが可能となってきます。

その上で、対練や武器術も学んでいけば、護身術としての効果も得られるでしょうし、体はより壮健となっていくでしょう。

ただし、そのためには総合的な練習体系が伝わっている門派を選ぶこと。その上で師の指示通りに、長年の練功を続けていく必要があります

いずれにしても、太極拳に即効性はありませんから、千里の道も一歩からのことわざ通り、できる事から一歩ずつ努力していくしかないでしょう。

太極拳の健康的な効果については、太極拳の健康的効果のページで詳しく解説しています。

学ぶ上での心得(伝統本来の指導法とは?)

女性会員による陳式太極拳の写真
女性会員による陳式太極拳

これまで当会の太極拳の技術的な面についての概要を紹介してきました。

もう一つ、伝統太極拳を本格的に学んでいくのであれば、知っておきたい心得や知識といったものがあります。

【伝統太極拳を学ぶ上での心得】のページでは、当会の練習体系の根幹部分を学んだ先生の教えを中心に、私自身が学んでいた時に感じた疑問点などを紹介しています。

  • 学ぶとは?入門するとは?
  • 中国武術は一対一の師弟関係、道場はその集合体
  • 道場は学ぶ場、練習は自分自身で
  • 武術は、商売として教えられない
  • 中国武術独特の教え方
  • 他門派との付き合い方と礼儀

など

当会での学習を検討している方や、今後、伝統の中国武術を学んでみたい方は、ご一読をおすすめします。

まとめ

本記事では、当会の特徴として、内功と伝統太極拳の練習体系についてを中心に紹介してみました。

概要のみを紹介しましたので、詳しくは、各詳細ページをご覧下さい。

学ぶ上での心得については、私自身が学ぶ立場にいた頃の言葉も思い出しながら書きましたので、読まれた方は、厳しいという印象を持たれた方もいたかもしれません。

ただ、事実を正直に書いたつもりですので、当会に限らず、伝統の流派や門派で学ぶ事を考えている方は、参考にして頂ければ幸いです。

師父が遺した言葉の技術編は、こちら のページをご覧下さい。

太極拳の練習も長年続けていく事で、身体も動きも変わって行きますし、同時に考え方といったものも変わっていきます。

今の動きは、2~3年前にはできませんでしたし、数年後には、また動きが変わっていると思います。

年齢と共に体力や気力自体は落ちていくかもしれませんが、それを補う部分が逆に伸びていくのが太極拳の特徴だと思います。

そして、最終的な目的は、生きていく上での自信と勇気を身に付けていく事にあります。

私自身の考え方も、ずいぶんと変りました。

その中で、やはり本質的な部分や方針は、変えられないというのが現在の心境です。

もう大勢の生徒を教える時間も場所もありませんし、この記事を読んで、ビシッと何かを感じた方と、ご縁があるのを楽しみにしております。

本コンテンツは、今後も気付いた事があれば、加筆していく予定です。

当会での学習を検討されている方は、【受講案内】をご覧下さい。

最後まで、お読み頂きありがとうございました。

令和元年4月6日初稿
令和2年6月4日二稿
令和2年12月10日三稿
令和4年3月10日四稿
令和5年3月14日五稿

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受講案内は、こちらから↓
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