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白鶴亮翅(はっかくりょうし)の研究

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白鶴亮翅の用法例の一つである掃脚の写真

今回は、太極拳の代表的な技法の一つである白鶴亮翅(白鵝亮翅)の意味や型の分解動作、白鶴亮翅の用法例について紹介します。

白鶴亮翅の意味

白鶴亮翅の意味は、白い鶴が翼をパッと広げるという意味です。

写真のように、鶴が雪原を跳ねながら、翼を広げている様となります。

武術的には、相手を誘う構えと言えます。

また陳式太極拳の小架系では、 白鵝亮翅(はくがりょうし)の名称が使われています。

鵝は、ガチョウという意味です。

白鶴亮翅の動画

陳式太極拳と楊式太極拳の白鶴亮翅の動画を紹介します。

陳式太極拳 白鶴亮翅

陳式太極拳 新架式の白鶴亮翅は、第二金剛搗碓に続く架式です。

右足で前方へ斜行し、陳式太極拳独特の平歩での虚歩となります。

老架式の白鶴亮翅は、逆に後ろに斜行し、一般的な虚歩を用います。

楊式太極拳 白鶴亮翅

楊式太極拳の白鶴亮翅は、単鞭に続き、提手上勢を挟んでの動作となります。

用法的には、白鶴亮翅の用法例の項で紹介する相手の両手を巻き込んでの投げ技、あるいは次式である摟膝拗歩へつなぐ誘いの構えとなります。

終式の虚歩は、一般的な虚歩を用います。

白鶴亮翅の型(套路)の分解動作

では、陳式太極拳 新架式の白鶴亮翅の動作を分解写真で紹介します。

白鶴亮翅の分解動作1
第二金剛搗碓の終末動作から、右手は上へ弧を描き右上方へ、

左手は下に弧を描き左上方へと運びます。

白鶴亮翅の分解写真2
そのまま、弧を描き右手は下から上へ、

左手は上から下へと円を描き、両手を上下に合わせます。

白鶴亮翅の分解写真3
両手を上下に合わしたまま、左足へ一旦重心を移し、

右足を右斜め方向へ差し出します。

白鶴亮翅の分解写真4
右足へ重心を移しながら、右手は上へ、左手は下へと両手を展開します。
白鶴亮翅の分解写真5
左足を引き寄せ、平歩での虚歩となります。

片足を実とし、両手の翼を展開した白鶴亮翅の終末動作です。

白鶴亮翅の用法

本項では、白鶴亮翅の用法例として三種類の投げ技を紹介します。

相手の両腕を封じての投げ

両肩を押さえられた状態から、相手の両腕を巻き取り、白鶴亮翅で密着しての投げ技を紹介します。

白鶴亮翅の用法解説1 相手が両手で両肩を押さえてきた写真
相手が両手で両肩を押さえてきた状態を仮定します。
白鶴亮翅の用法解説2 相手の両手を巻き込んだ写真
右手で相手の左手を、左手で相手の右手で巻き込み、固定します。

拡大すると、以下のようになります。

相手の両手を交差し巻き込んだ状態の拡大写真
相手の両手を交差し、巻き込んだ状態の拡大写真
白鶴亮翅の用法解説3 両手を封じたまま、相手へ密着する写真
相手の両手を巻き込んだまま、相手に密着し、相手の動きを封じます。

この状態から、両手を分け開き、相手を巻き倒します。

白鵝亮翅(はくがりょうし)の場合は、この状態から按勁を用いて押し倒します。

白鵝亮翅(はくがりょうし)の用法例 相手に密着したまま押し倒している写真
白鵝亮翅(はくがりょうし)の用法例

白鶴亮翅を用いた足払い

続いては、白鶴亮翅を用いた足払い技(掃脚)を紹介します。

白鶴亮翅の構えで、相手の右拳攻撃を誘っている写真
白鶴亮翅の構えで、相手の右拳攻撃を誘います。
相手の右拳攻撃を白鶴亮翅の右掤勢で受けている写真
相手の右拳攻撃に対し、ポジションを少し左に移し、白鶴亮翅の右掤勢で受けます。
右手は捋に転換し、相手の頭部を押さえている写真
右手は捋に転換し、少し引き寄せながら、左手で相手の頭部を軽く押さえます。
白鶴亮翅の用法例(掃脚)の写真
そのまま、相手の右足を左足で払い蹴ります。

相手の蹴りを誘っての投げ

三手目は、相手の蹴りを誘い、蹴り足を取っての投げ技を紹介します。

両手を開いた白鶴亮翅の構えで、相手の蹴りを誘っている写真
両手を開いた白鶴亮翅の構えで、相手の蹴りを誘います。
相手の蹴りを白鶴亮翅の下段払いですくっている写真
相手の蹴りを白鶴亮翅の下段払いですくい受けます。
蹴り足を相手の顔面へ向け、肩あたりを下へ押さえ、相手を回転させて投げている写真
そのまま相手に密着し、蹴り足を相手の顔面へ向け、肩あたりを下へ押さえ、相手を回転させて倒します。

白鶴亮翅の打法応用

本項では、白鶴亮翅の打法としての用法例として、劈掌(へきしょう)と切掌(せっしょう)を紹介します。

劈掌(へきしょう)

白鶴亮翅の打法応用として、劈掌を紹介します。

※ 劈(へき)とは、斧を振り落とすように、上から斬り落とすような打法の事を言います。

打法としての白鶴亮翅は、螺旋勁を上へ伝えた後、上下に分け開いて発します。
太極拳の白鶴亮翅の応用例の写真
狙う箇所は、相手の側頭部を中心に首筋などとなります。手刀もしくは拳槌を用います。

切掌(せっしょう)

白鶴亮翅の打法応用の2として、切掌を紹介します。

切掌には、2種類あり、一つはチョップのように水平に打ちつけるもの、もう一つは螺旋勁を用いて直線的に打ち込むものとがあります。

下の動画では、前半に水平に打ちつけるもの、 後半に直線的に打ち込むものを紹介しています。

白鶴亮翅の左手への勁は、右手に運ぶ螺旋勁を途中で分離させ、左手へと運びます。

この動画では、左右に分け開いた後、前方への勁に転換しています。

白鶴亮翅の切掌の用法例の写真
切掌は、主に脇腹や腹部を狙い、中段の単鞭とも言える技法です。

まとめ

今回は、太極拳の白鶴亮翅の言葉の意味や型の分解動作、そして用法例として投げ技を三種、打法を二種、紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?

白鶴亮翅は、白鶴亮翅以前に学ぶ、懶扎衣、六封四閉、単鞭などの応用としての意味合いが強く、上記の三手を習得した後に学ぶ技法と言えると思います。

また次式である、摟膝拗歩や斜行拗歩への誘いとしての構えとも言えます。

他の用法例についても、写真の整理ができ次第追記していきますので、定期的にこちらのページをご覧下さい。

陳式太極拳の他の技法については、技法研究 陳式太極拳のカテゴリーで紹介しています。

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今回も、最後までお読み頂きありがとうございました。

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