当会の太極拳の中級教程の練習内容の一部を紹介します。
Contents
太極拳の中級教程の目的
太極拳の中級教程で学ぶ項目は、以下の通りです。
- 中級教程の功法の習得
- 初級・中級・伝統套路の習得
- 太極剣や太極刀(武器術)の習得
- 推手や対練
- 化勁の習得
- 太極拳の実用技法の研究
簡潔に紹介していきましょう。
太極拳の中級教程の功法
太極拳の中級教程の功法は、初級教程で学んだ基本功を応用及び発展させたものです。
具体的には、二方向の力を融合させて、力の方向を変えたり、陰陽や虚実に分けたり、また別次元の功法を習ったりと、当門独特の基本功(中級教程)を学んでいきます。
詳細は、中級教程に進んだ方のみに公開していますが、これらの功法の発展が、当会の最大の特徴とも言えるでしょう。
太極拳(二元の功法)である黄龍出水は、上下と前後の力を融合した基本功です。
中級教程では、より複雑な功法を学び、太極拳の套路を実際に内功で行えるようにするのが目標です。
太極拳の初級・中級・伝統套路(型)の習得
中級クラスでは、陳式太極拳や楊式太極拳の初級、中級、伝統套路を学び、少しづつ習得する技法を増やしていきます。
初級教程でも述べましたが、当会の套路練習では、単に型の順番を覚えるのではなく、一つ一つの技法を確実に身に付けていく事を重視しています。
楊式太極拳 中架式の動画
ここで紹介している套路の順番は、24式太極拳と同じですが、各技法の動き(内功)は伝統拳と同じ動きで行っています。
陳式太極拳 老架式の動画
古伝楊式太極拳小架式
古伝楊式太極拳小架式は、鄭志鴻老師から伝わったかなり独特な太極拳です。
当会で指導している太極拳の套路は、【伝統太極拳の套路(型)】のページで紹介しています。
(太極刀、太極剣、棍)武器術の習得
中級教程では、太極刀や太極剣、棍術などの中国武器術の指導も行っています。
武器術を学ぶ事で、より武術的な身体を作り、強化していく事を目的としています。
武器術の練習も基本功、基本技法、套路といった階梯で学んでいきます。
また武器術を並行して学ぶ事で、太極拳と武器術の技法の比較なども行い、太極拳への理解をより深めていきます。
武器術の概要は、以下のページにまとめてあります。よろしければ、ご参考下さい。
〇 太極剣や太極刀の基本は、【太極拳の剣と刀の基本】のページで紹介しています。
〇 陳式太極剣に特化した、基本功や基本技法は、【陳式太極剣の基本】のページをご覧下さい。
〇 中国棍術や槍術の基本は、【中国棍術と槍術の基本】のページで紹介しています。
〇 当会で指導している中国武器術は、【中国武器術の種類】をお読み下さい。
太極拳の推手や対練
中級クラスでは、推手などの対練の練習も積極的に行っています。
推手とは、文字通り、相手と手を接した状態で押し合う稽古です。英語ではpush handと直訳されています。
推手には、以下のような目的があります。
- 聴勁(ちょうけい)の養成
- 沾粘勁(てんねんけい)の養成
- 捨己従人(相手の力を借りる)
- 実戦の模擬訓練 → 自由推手
また、推手には大別すると、以下の三種類の推手があり、それぞれの目的と得られる効果にも違いがあります。
- 単推手
- 双推手
- 四正推手
推手について、詳しくは【推手の目的と効果】のページで解説しています。
太極拳の化勁
また、当会の特徴としては、推手の延長として、化勁の習得があります。
化勁とは、相手の力を無力化する技術であり、吸着化させた上で崩したり、相手をコントロールする技術です。
ご覧のように、掌や手首を接した化勁では、吸着化現象が起き、相手の手が引っ付いたまま、コントロールされているのが分かると思います。
また化勁には、相手をコントロールするだけでなく、封じ込める技法もあります。
その他、相手の体幹部に直接作用させる化勁もあります。
そのため、相手の体幹部に接する肩口から上腕の部分を使って化勁をかけ、内功の一つである 遠心的な螺旋勁を用いて崩しています。
相手にコマのような回転が加わり、抵抗できずに急に崩れているのが分かると思います。
〇 化勁について、より詳しくは、【化勁の定義と検証例】で解説しています。
〇 陳式太極拳の用法例は、【陳式太極拳の技法研究】で紹介しています。
〇 楊式太極拳の技法は、【楊式太極拳の技(用法)】にまとめてあります。
太極拳の実用技法の研究
上記で紹介した内容までに習熟した後、武術としての太極拳を学びたい方には、武術教程として実用技法の研究も行っています。
ただし、原則として、武術教程の受講許可を得た会員のみとなります。
理由は、健康目的の方にケガをする可能性のある練習を強要する必要はなく、また練習の参加者には、やはり同門としての覚悟が必要となってくるからです。
同門の覚悟とは、やはり武技である以上、悪用はご法度ですし、術理を共に研究する仲間としての信頼関係を築けるかどうかという事です。
また同時に一定以上の技量も求められます。
- 太極拳の各技法を内功によって動く事ができる
- 内功による瞬発力を発する事ができる
- 推手や化勁などの防御技法に習熟している
武術教程では、自他ともに人間といったものが、どういう構造で、またどういった反応をするのかを深く考察しながら、技の術理を研究していきます。
陳式太極拳 演手捶(えんしゅすい)
演手捶は、陳式太極拳を代表する突き技です。
上記の動画では、小架式の演手捶の套路の動きと内功による瞬発力を表現しています。
纏絲勁を用い、意識の発動と共に、拳は瞬時に射出されます。
掩手捶の詳細は、【掩手捶と搬攔捶】のページをご覧ください。
楊式太極拳 摟膝拗歩(ろうしつようほ)
摟膝拗歩は、楊式太極拳の掌を用いた打法です。
前半の套路の動きで内功を練り、後半では内功そのものを動かした技法の動きを表現しています。
摟膝拗歩の型の分解動作や他の用法例については、【摟膝拗歩の研究】のページをご参考下さい。
この段階では、伝統套路に含まれる技法の一つ一つを使える武器に仕上げていきます。
陳式太極拳 金剛搗碓の連続技法
金剛搗碓に含まれる「右撩陰掌(下陰部打ち)」から、「右托掌(下から上への掌打)」「右翻捶(裏拳打ち)」と上下の切り返し動作を表現しています。
内功による瞬発力を用い、一挙動で3つの技法を連続で打ちます。
金剛搗碓の分解動作や他の用法例については、【金剛搗碓の研究】のページをご覧下さい。
陳式太極拳 六封四閉から懶扎衣への変化
陳式太極拳の基本技法で紹介した六封四閉の切掌から、懶扎衣の掌打への変化を表現しています。
この技法の詳しい解説は、こちら のページをご覧下さい。
陳式太極拳 腕打から拗歩単鞭への変化
次の動画は、陳式太極拳の腕打から拗歩単鞭への変化です。
この動画では、右勾手による下から上への打ち上げ、そのまま勾手を外側から内側へ打ち、相手を挟むように拗歩単鞭へとつなげています。
用法例としては、以下のイメージとなります。
この技法の詳しい解説は、こちら のページをご覧下さい。
太極拳の中級教程 まとめ
本ページでは、当会の中級クラスの練習内容を一部紹介してみましたが、いかがだったでしょうか。
実際には、まだまだ色々な練習内容がありますが、時期を見て、少しづつ掲載内容を増やしていくつもりです。
中級教程では、様々な内容を学んでいく訳ですが、一番重要な事は、外見(形)ではなく、内功を理解し、太極拳の本質を身に付けていく事です。
また言われた事だけを行うのではなく、学んだ内容を自分なりに整理し、自分自身の練習カリキュラムを実践し、太極拳を自分のものにしていく気持ちも大切です。
撮影に協力して頂いた会員の皆様、ありがとうございました!
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八卦掌の練習体系に興味がある方は、以下のページをご覧下さい。
神秘的なイメージの強い中国武術である八卦掌。
【八卦掌の特徴と基本】では、八卦掌の特徴と共に走圏、換掌、基本功など、八卦掌の初歩的な練習方法について紹介しています。
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