
当会の太極拳教室の中級教程の練習内容の一部を紹介します。
Contents
太極拳の中級教程の目的
太極拳の中級教程で学ぶ項目は、以下の通りです。
- 中級教程の基本功の習得
- 中級套路や伝統套路の習得
- 太極拳の実用技法
- 推手や対練
- 武器術の習得
- 太極拳と武器術の比較研究など
簡潔に紹介していきましょう。
太極拳の中級教程の基本功
太極拳の中級教程の基本功は、初級教程で学んだ基本功を応用及び発展させたものです。
具体的には、二方向の力を融合させて、力の方向を変えたり、陰陽や虚実に分けたり、また別次元の功法を習ったりと、当門独特の基本功(中級教程)を学んでいきます。
詳細は、中級教程に進んだ方のみに公開していますが、これらの功法の発展が、当会の最大の特徴とも言えるでしょう。

太極拳(二元の功法)である黄龍出水は、上下と前後の力を融合した基本功です。

当門での正式名称は、托槍式と言い、五元の功法となります。
中級教程では、より複雑な功法を学び、太極拳の套路を実際に内功で行えるようにするのが目標です。
太極拳の中級套路や伝統套路(型)の習得
中級クラスでは、陳式太極拳や楊式太極拳の中級套路や伝統套路を学んでいきます。
陳式太極拳 老架式の動画
太極拳の中級教程で学ぶ、陳式太極拳 老架式の動画を紹介します。
太極拳の実用技法の習得
太極拳の実用技法の習得過程には、三段階あり、一つ目は伝統套路に含まれる各技法を内功によって動かせるようになる事。
二番目は、内功による瞬発力をもって発する事ができるようになる事。
三番目は、他の技法と組み合わせて、連続した技法として用いる事ができる段階です。
- 各技法の内功の習得
- 内功による瞬発力の習得
- 連絡技法の習得
いくつか具体例を紹介してみましょう。
陳式太極拳 演手捶(えんしゅすい)
演手捶は、陳式太極拳を代表する突き技です。
上記の動画では、小架式の演手捶の套路の動きと内功による瞬発力を紹介しています。
纏絲勁を用い、意識の発動と共に、拳は瞬時に射出されます。
楊式太極拳 摟膝拗歩(ろうしつようほ)
摟膝拗歩は、楊式太極拳の掌を用いた打法です。
前半の套路の動きで内功を練り、後半では内功そのものを動かした技法の動きを表現しています。
この段階では、伝統套路に含まれる技法の一つ一つを使える武器に仕上げていきます。
陳式太極拳 金剛搗碓の連続技法
金剛搗碓に含まれる「右撩陰掌(下陰部打ち)」から、「右翻捶(裏拳打ち)」へと上下の切り返し動作を表現しています。
内功による瞬発力を用い、一挙動で2~3の技法を連続で打ちます。
陳式太極拳 六封四閉から懶扎衣への変化
陳式太極拳の基本技法で紹介した六封四閉の切掌から、懶扎衣の掌打への変化を表現しています。
実用時の速度は以下のようになります。
この動画は、一度だけだと何をしているのか分からないので、同じ動画を二回つなげています。
この技法の詳しい解説は、こちら のページをご覧下さい。
陳式太極拳 腕打から拗歩単鞭への変化
次の動画は、陳式太極拳の腕打から拗歩単鞭への変化です。
この動画では、右勾手による下から上への打ち上げ、そのまま勾手を外側から内側へ打ち、相手を挟むように拗歩単鞭へとつなげています。
用法例としては、以下のイメージとなります。

この技法の詳しい解説は、こちら のページをご覧下さい。
太極拳の推手や対練
中級クラスでは、推手や用法練習などの対練の練習も積極的に行っています。
※ 現在は、コロナウィルスの影響で、対練は一時的に中止しています。


(太極刀、太極剣、棍)武器術の習得
中級教程では、太極刀や太極剣、棍術などの中国武器術の指導も行っています。
武器術を学ぶ事で、より武術的な身体を作り、強化していく事を目的としています。
また武器術を並行して学ぶ事で、太極拳と武器術の技法の比較なども行い、太極拳への理解をより深めていきます。
ここでは、当会で指導している太極刀や太極剣、棍術を紹介します。
陳氏太極単刀

陳氏太極単刀は、陳式太極拳の刀術套路です。
シンプルな構成の中に中国刀術の基本が、ぎっしり詰まっています。

36式太極刀

36式太極刀は、鄭志鴻老師から学んだ太極刀です。
内容的には楊式太極拳の刀の技法を集約した構成となっています。
次に紹介する56式太極剣と対となる刀術套路です。


56式古伝太極剣

五十六式太極剣は、中国東北地方に伝わる太極剣です。
当会へは、鄭志鴻老師から伝わりました。
陳式太極剣とも、楊式太極剣とも違う、独特の構成と風格となっています。

初級棍術

刀よりも、長く重たい棍を使用する事で、基礎的な功夫を高めていきます。
当会で指導している武器術は、こちらのページで紹介しています。
太極拳と武器術の比較練習
また、中級クラスでは、武器術の套路を学ぶだけではなく、素手の太極拳と武器術の共通する原理を研究していきます。
ここでは一例として、陳式太極拳の金剛搗碓と刀術の撩刀を比較してみましょう。
見比べてみると、いかがでしょうか?
金剛搗碓の右手の撩陰掌(下からすくい上げる動作)は、刀術の撩刀(下から切り上げる動作)と根源的には同じ技法だという事が分かると思います。
このように、太極拳の技法は、刀や剣、棍、槍といった武器術と多くの共通点を有しています。
中級クラスでは、太極拳と武器術を比較研究しながら、より深く太極拳の術理を身に付けていきます。

太極拳の中級教程 まとめ
本ページでは、当会の中級クラスの練習内容を一部紹介してみましたが、いかがだったでしょうか。
実際には、まだまだ色々な練習内容がありますが、時期を見て、少しづつ掲載内容を増やしていくつもりです。
中級教程では、様々な内容を学んでいく訳ですが、一番重要な事は、外見(形)ではなく、内功を理解し、太極拳の本質を身に付けていく事です。
また言われた事だけを行うのではなく、学んだ内容を自分なりに整理し、自分自身の練習カリキュラムを実践し、太極拳を自分のものにしていく気持ちも大切です。
撮影に協力して頂いた会員の皆様、ありがとうございました!
当会へ入会希望の方は、まず【受講案内】をご覧下さい。
八卦掌の練習体系に興味がある方は、以下のページをご覧下さい。
神秘的なイメージの強い中国武術である八卦掌。
【八卦掌の特徴と基本】では、八卦掌の特徴と共に走圏、換掌、基本功など、八卦掌の初歩的な練習方法について紹介しています。

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